Emacsの練習
準備
練習用のファイル tex.tar.gzをホームディレクトリにダウンロード、保存しててください。その後、下記にしたがってファイルの展開、作成を行ってください。
tar zxvf tex.tar.gz
./TeX/
./TeX/Readme.txt
./TeX/ex.tex
./TeX/exercise.ps
./TeX/figure.eps
$ cd TeX
$ cp Readme.txt practice01.txt
$ ls
Readme.txt ex.tex exercise.ps figure.eps practice01.txt
$
思い通りに動かなくなったときの対処法
操作していると、間違ったキー入力などで、思わぬ状態になることがあります。こういう場合はEmacsの使い方のページで紹介されている"C+g
" で脱出することができます。
Emacsの起動および終了
Emacsの使い方の「起動と終了」で紹介されているキー操作で、Emacsの起動と終了をしてみましょう。起動は以下のようにして行います。
emacs
ファイルを開く
Emacsの使い方の「ファイル入出力およびバッファ」で紹介されているキー操作 C+x C+f を使用してファイルを開いてみましょう。以下の例では、TeXディレクトリでemacsを起動していることを前提としています。
C+x C+f とすると、エコー行に
と表示されます。これは、ホームディレクトリの下のTeX
ディレクトリにあるファイルを開くという意味です。ここで、開きたいファイル名を入力してEnterキーを押せばファイルが開きます。ファイル名を入力しないで、ここでTabキーを2回押すと、ディレクトリにあるファイル一覧が表示されます。
ここで、ファイル名の最初の一文字だけを押して、TABキーを押してみましょう。practice01.txtを開く場合、"p"だけを入力して、スTABキーを押します。そうすると、
のように、ファイル名が自動補間されたと思います。ここでEnterキーを押せば下図のように、practice01.txtが開きます。
Emacsを起動するときに、以下のようにファイル名を指定して起動することもできます。
emacs practice01.txt
カーソルおよび画面の移動と画面分割
Emacsの使い方のページの「カーソルおよび画面の移動」で紹介されているキー操作で、カーソルのおよび画面の移動を試してみましょう。さらに「画面分割」で紹介されているキー操作で、カーソルの移動および画面分割を試してみましょう。
削除、挿入、コピー
Emacsの使い方のページの「削除、挿入、コピー」を参考に、practice01.txtを使って削除、挿入、コピーの練習をします。まず、下図のように、1行目、"LaTeX"の後ろの"の"までカーソルを移動して下さい。
ここで、下図に示すように、Delete(DEL)
キーを押して、"の"を削除して下さい。
バッファの内容が変更され、モード行が
から
に変化しましたね。
下図のように、C+d
で、現在カーソルがある"練"を削除して下さい。
下図に示すように、6行目"This"の先頭にカーソルを移動して下さい。
下図のように、M+d
で、1単語である"This"を削除して下さい。
下図に示すように、6行目"Version"の先頭にカーソルを移動して下さい。
下図のように、C+k
で、カーソルのある位置から行末まで削除して下さい。
下図のように、7行目行末に移動して下さい。
下図のように、C+y
で、いま削除した内容を張り付けて下さい。
下図のように、5行目先頭に移動して下さい。
C+SPACE(あるいはC+@)
でマークをセットして下さい。このとき、下図のようにエコー領域に"Mark set"と表示されます。
下図のように、12行目先頭に移動して下さい。
上図に示すように、選択範囲が異なる背景色を伴って覆われます。下図に示すように、C+w
で選択範囲を削除して下さい。
下図のように、C+y
で、いま削除した内容を張り付けて下さい。
下図のような範囲を選択し、その範囲をM+w
でコピーして下さい。
下図のように、C+y
を2回繰返し、いまコピーした内容を張り付けて下さい。
このままの状態で次の「取消(Undo)」に進みましょう。
取消(Undo)
削除、挿入、コピーで編集した状態で、C+_
を2回繰り返して下さい。下図のように、コピーした内容を張り付ける前の状態になるはずです。
Emacsの使い方の「繰返し」で紹介されているC+u
を使用して繰返し回数を指定してみましょう。 C+u
としたあと、数字の2を入力すると、
とエコー領域に表示されます。そして、C+x u
とすると、2回分の作業が取り消されて下図のようになります。
ここで、一旦終了してみましょう。終了はC+x C+c
です。すると、下図のようにエコー領域にファイルを保存するかどうか聞かれます。
ファイルを保存しないので、nを押してファイルを保存しないで終了して下さい。その後、yesを入力します。
ファイル入出力およびバッファ
Emacsの使い方の「ファイル入出力およびバッファ」を参考に、ファイル入出力およびバッファの使用法を学びましょう。
新規ファイルを開きます。
ディレクトリTeX
で、Emacsを起動しているときに、C+x C+f
とすると、エコー領域に
と表示されます。ここでは下図のように新規ファイル名として、practice02.txtを入力しEnterキーを押して下さい。
すると、エコー領域に
と表示されます。このように存在しないファイル名を指定すると、新規ファイルとしてバッファが作成されます。また、下図のように、ターミナルから直接ファイル名を指定して
emacs practice02.txt &
とする方法もあります。
では、下図に示す文字列を入力して下さい。
C+x C+s
でファイルを保存します。ファイルを保存すると以下のメッセージがエコー領域に表示されます。
続いてC+x C+w
を使用してカレントバッファを別名で保存します。カレントバッファであるpractice02.txtをpractice03.txtというファイルに別名保存します。C+x C+w
とすると、エコー領域に
と表示されます。下図のようにファイル名としてpractice03.txtを入力し Enterキーを押して下さい。
practice03.txtに、下図のように文字列を追加して下さい。
ファイルの挿入はC+x i
で行ないます。ここでは、practice02.txtをpractice03.txtに挿入しましょう。C+x i
とすると、エコー領域に
と表示されます。下図のようにファイル名としてpractice02.txtを入力しEnterキーを押して下さい。
すると、下図のように、practice03.txtのカーソルのあった位置に、practice02.txtの内容が挿入されます。
ファイルをC+x C+s
で保存して下さい。続いて、C+x C+f
でpractice02.txtを開いて下さい。
C+x C+b
はバッファ一覧を表示します。C+x C+b
とすると、下図のように画面が2分割され、現在開いているバッファの情報が表示されます。
practice02.txtの行の先頭に ".
"がついていますが、これは、現在、最も最上位にあるバッファを意味します。
画面間の移動はC+x o
です。C+x o
で、バッファ一覧に移動して下さい。すると、下図のように、pracitce02.txtの行の先頭にカーソルが移動します。
C+n
あるいは"n"キーで、下図のように、practice03.txtの行にカーソルを移動して下さい。
ここで、"d"キーを押して下さい。すると、下図のように、practice03.txtの前に"D"マークがつきます。これはそのバッファ(この場合は、practice03.txt)を削除することを意味します。
この状態はマーキングされただけなので、まだ削除されていません。削除するには、"x"キーを押します。"x"キーをおして削除して下さい。すると、practice03.txtはバッファから削除され、下図のようになります。
続いて、C+p
あるいは"p"キーでpractice02.txtの行ににカーソルを移動して、同様に、削除マークをつけて下さい。下図のようになります。
削除を取り止め場合は、"u"キーを押します。C+p
あるいは"p"キーでpracice02.txtの行までカーソル移動して、"u"キーを押して、削除を取り止めて下さい。下図のように、"D"マークが消えます。
C+p
あるいは"p"キーでpracice02.txtの行までカーソル移動して下さい。そこで、"f"キーを押すと、下図のように、practice02.txtが開きます。
C+x C+q
はカレントバッファ(practice02.txt)を書き込み不可にします。 C+x C+q
で書き込み不可にしてください。そうすると、モード行が
から
に変更されます。これは書き込み不可をあらわします。この状態で、何か書き込もうとすると、エコー領域に、
と表示され、書き込みできないことを報告します。
もう一度C+x C+q
を押して書き込み可にしてください。C+x k
はカレントバッファを削除します。C+x k
でを押して下さい。下図のようにエコー領域に、
と表示されるので、Enterキーを押して削除します。
検索、置換
Emacsの使い方の「検索、置換」を参考に、practice01.txtを使ってファイル入出力およびバッファの使用法を学びましょう。
C+x C+f
で practice01.txtを開いて下さい。画面が分割されている場合は、C+x 1
で practice01.txtだけを開いて下さい。 前進検索はC+s
で行ないます。 C+s
を押すとエコー領域に
と表示されます。ここに入力した文字列が検索されます。ここでは"ex.tex"という文字列を検索します。そのまま"ex.tex"を入力して下さい。すると、下図のように、最初の"ex.tex"の位置にカーソルが移動します。
ここで、さらにC+s
を押すと、下図のように、次の"ex.tex"に カーソルが移動します。
C+s
を数回繰り返して、これ以上検索する文字列がないと、エコー行に
と表示されます。さらに、C+s
を押すと、
と表示され、一番最初に検索された"ex.tex"に戻ります。後進検索はC+r
で、C+s
と検索方向が異なるだけで使用法は同じです。試してみて下さい。
カーソルをファイルの先頭に移動して下さい(M+<
とすると、一気にカーソルがファイルの先頭に移動します)。
置換はM+%
で行ないます。置換されるのはカーソルがある位置から後方のみなので注意して下さい。それでは"ex.tex"という文字列を"KAGAKU.tex"に置換してみましょう。M+%
を押すとエコー領域に、
と表示されます。ここで"ex.tex"を入力して、Enterキーを押すとエコー領域に
と表示されるので、置換したい文字列"KAGAKU.tex"を入力します。Enterキーを押すと、カーソルが最初の"ex.tex"に移動し、エコー領域に、
と表示されます。置換する場合はスペースキーを押します。では、スペースキーを押して、最初の"ex.tex"を置換して下さい。下図のように、最初の"ex.tex"を"KAGAKU.tex"に置換後、次の"ex.tex"にカーソルが移動します。
置換しない場合は"n"キーを押します。"n"キーを押すと、下図のように置換しないで次の"ex.tex"に移動します。
一度に全ての文字列を置換したい場合は"!"キーを押します。"!"キーを押すと、下図のように、カーソルのある位置から後方の"ex.tex"全てが置換されて置換が終了し、エコー領域に置換した文字列の数が表示されます。
バックアップ・ファイル
Emacsでファイルを編集、保存したのち、ターミナルでlsとすると、編集したファイルの最後にチルド"~"がついたファイルができていると思います。これは編集する前の状態を保存したバックアップ・ファイルです。